アラブの方々が大切にするオリーブの木は、西洋のものでも東洋のものでもない祝福された木と呼ばれているそうです。にんにくとオリーブ油とハーブをふんだんに使うプロヴァンス料理の、誰でも簡単に作ることのできるレシピがこの本には載っています。
その材料は身近なところで得られるものばかり。森の幸、山の幸、薬草、きのこ、いちじく、アーモンド、オリーブ、はちみつ、ワイン。
そしてプロヴァンスは、よその土地からも多くの恵みを受けています。ぶどうを持ち込んだのはギリシア人。オリーブはローマ人。唐辛子はスペイン人。ミントはアラブ人から。
レストランのオーナーシェフであるミッシェルさんは言います。「あんたの食べるものが、あんた自身を表すんだよ。私自身は楽しみで食べる。おかげでいつも健康だ。楽しむことに罪悪感をもっちゃいけないね」
自然からの恵み、人からの恵みをありがたく受けて、のんびりと楽しんで暮らすプロヴァンスの人たちの様子が、この本から垣間見えます。
おすすめの本
『南仏プロヴァンス料理紀行』
ジュリアン・モア(著) ケアリー・モア 角田 俊 パトリス・ジュリアン(監訳) 集英社