オールドメディアが衰退し、ネットをベースとした新しいメディアが世の中を動かしているという話題が、最近さらに増えてきました。情報のソースが新聞やテレビ・ラジオからネットに移行しているのはこれまでもそうでした。しかし旧メディアはプロパガンダ(嘘)ばかりで、新メディアは隠されていた真実を伝えているというのは、本当にそうでしょうか。
ネットには様々な情報があります。そこにはマスなメディアには伝わらない情報や視点も数多くあります。それらに触れることで、いままで漠然としてしか見ていなかった事象の別の顔が見えてくることも多々あるでしょう。予想外な繋がりが見えてきて驚くこともあるでしょう。
しかし、プロパガンダがマスメディアを通じて行われていたのであれば、新しいメディアを使っても同じように行うはず。ネット上には無数の情報ソースがありますが、いつも見ているのが一般的なSNSばかりでしたら、それはマスメディアとほぼ変わらない可能性があります。さらに、ネット特有の個人的なつながりを利用して、特定の方向に(選挙でいえば特定の候補者に)誘導する動きも十分に考えられます。
オールドメディアはニューメディアにリレーをしたと考えればわかりやすいかもしれません。オールドの役割はそのままに、いままでの欠点をクリアして、多様に双方向にフレキシブルに。
どのメディアでも本当の顔はなかなか見えません。覆面な(あるいは仮面な)アバターが繰り返し繰り返し情報を送り込んできます。しかし、ジッと観じてみると、そこにある顔が浮かんできます。何か複雑な思惑がある場合は、スッキリとした顔はしていないでしょう。鵜呑みにしない。顔を見極めていく。それは難しいことのように思えますが、仕組みは意外と単純。推理小説の謎解きのように、そこに見える利害関係をちょっと図に書いてみると、簡単に解き明かせることも実は多そうです。