自然食のロシア料理のお店にお邪魔しました。初めてのお店なので恐る恐るドアを開けると、すぐにそのアットホームな雰囲気に包まれてしまいます。窓側の陽だまりに席を取り、陽気なお店の方や他のお客さんとも和やかな感じで、おすすめの自然志向な野菜料理を美味しくいただくことができました。
日本や世界の一部では、マスメディアやソーシャルメディアがロシアを一方的に敵視するような「情報」を流し続けています。ロシア料理のお店を訪れたのは最初は応援の意味もありましたが、実際にその温かい雰囲気と優しい味に触れて、ただ、何度も足を運びたい場所と思いました。自然の風味を生かしたその料理は、爽やかな余韻を残しています。
思えば戦争は組織でしか行えないものです。個人では誰も他の国を相手に戦うことはできません。軍隊は最も組織的な組織です。人間にとって最もやりたくない行為を命令として行わせるのは組織の力と言えます。歴史的な独裁者も、もし組織が無ければ何もできなかったでしょう。
こんな実験があります。何の関係もない集団を2つに分けて、一方に看守、一方に囚人の役をやらせると、次第に看守役は囚人役に対して命令と暴力的な行為をし始めるそうです。集団にまとめて、上下関係を与えて、役割を与えれば、人間が本来持っている良心や感覚が簡単に歪められてしまう一例です。
平和のためと称する組織的な活動も同じことが言えます。色のない組織はありません。平和というプラカードの裏でどちらかの旗を掲げることは本当の調和をもたらすことではありません。個人個人で意見がバラバラであるところに意見がひとつに偏らないための抑止力があり、個人個人の温かい交流があるところに自分の一方的な視点を見直す場面があります。それらは、命令的に行われる組織には行うことができない調和をもたらす力です。
選択肢には善と悪しかなく、正解は1つしかなく、メディアや組織によって「正しい答え」に誘導されているような現代社会において、世界中で個人個人のシンプルなつながりが増えていくことをとても望みます。それは、2つの選択肢しかない、答えは1つしかないという幻想を効果的に打ち消してしまうでしょう。私たちにとっても、そのようなつながりがますます増えていくことを願いながら、縁をつないでいきたいと思います。