タラブックス インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる

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タラブックス インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる

自然エネルギーは不安定を特長とする。増減が繰り返され、そのリズムは生命のそれに親しい。一定のエネルギーが供給され、一定の温度に保たれ、一定の明るさの中で作り出されるもの、それはクリエイティブではなくモノカルチャー的な製造でしかないことに、気づいてしまう。

国がモノカルチャー用に改革され、風土、地域、家庭、人間関係。すべてがモノカルチャーを支えるための材料としてしか見なされていない。それはいわゆる右も左も西も東もどのイデオロギーでも変わらない。同じ指向をAとBに分けただけ。それらは競い合うように見せかけて、対象を翻弄しAまたはBに「改革」しようとする。

飽きるのが早い消費者に、日々あの手この手でさまざまな“新しい”商品やサービスが提供される。どれももう、本当に必要なのかさえわからない。それでも、大量生産と大量消費と大量破棄は繰り返される。目新しいものに飛びつく一方で、私たちは成長を強いられる資本主義経済にうんざりし始めている。いつまで大きくなりつづけなければけないの、と。(p.45)

もし人が商品やサービスにしか、地位や利益にしか興味を持たない存在であれば、その改革は成功するかもしれない。しかし、そこまで人間は汚された存在ではないだろう。AもBも物質や地位、欲望を満たすものしか餌は無い。それでも人を動かせなくなると、せっかちなAやBは恐怖政治を発動させて、命令、強制をしてくるかもしれない。そして改革は終焉を迎える。

世界中どこも同じね、以前シンガポールの紀伊國屋書店にいったとき、その量に圧倒されたのを覚えています。四階建てのビルのうち三階分はジャンクだと思ったわ。(p.160)

太陽は黒点の量によってそのエネルギー量を増減させる。そして地球においては、降り注ぐ宇宙線によって雲の量は変化し、地軸の傾きによって雨季、乾季、四季が生じ、地上に降り注ぐエネルギーは増減し、循環する。そこに月の位置も関係してくる。その不安定な安定によって、例えば、木は新芽を出し、花を咲かせ、実を稔らせて、葉を落とす。枯れ葉は朽ちて多くの生命を養い、自らの栄養となる。雨は森を潤し、川となり、平野を潤し、雲となり雨を降らせる。すべてが多様であり循環している。

「原料です。すべてコットンの古布ですよ」イーロードやティルプールの紡績工場からは、毎日破棄する布が山ほど出る。(中略)「木材パルプではなく、100%コットンを使っていること。漂白や品質調整のために薬品を使わないことは、私たちの紙の売りでもあるんです」(p.76)

インドのちいさな出版社「タラブックス」は、インドの小さな村に伝わる小さなお話に、美しい絵を加えて1冊1冊手作りで出版している。それは波のように縁のあるところへと届き、異なる文化を持った人たちを潤し、新たな力を芽生えさせている。そこにクリエイティブの自然な姿を感じてしまう。