誰のためのスマートシティ?
地球環境の保護のためにスマートシティが必要だと言う。スマートシティとは再生可能エネルギーを効率よく利用するためにシステム化された街のこと。そこに住む市民のエネルギー利用(=行動)を可視化するためには、それぞれの生活を完全に把握する必要がある。センサーが張り巡らされ、データが収集され、そこでの行動はすべて管理されて適切に措置する必要がある。 もし、スマートシティ全体で利用可能なエネルギーが予め決められていて、一部の市民が過剰にエネルギーを使用していたことが判明したら、迷わず使用制限をかけると思う。そのことに多くの人は疑問を持たないだろう。それは当然だと。そして常に全体という監視下で目立たない程度 …
続きを読む440と世界規格
最近、作業場にあるレコードプレーヤーのピッチのつまみを操作して、異なる回転で音楽を聴いてみている。少しだけピッチを変えるだけで全然違った音に聴こえてくるから不思議だ。声も音も躍動感にあふれ、聴いてるだけで嬉しくなってくる。村上春樹著「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」で、音楽の無い世界で「ダニー・ボーイ」のメロディを思い出した時の感動に近いのかもしれない。 Aの音は440Hzと決まっている。ISOでもそう決められている。しかし、その音を少しずらすだけで、違った世界がどこまでも広がっていく。もちろん録音したときのチューニングや、編集したときのチューニングまではわからない。でも、ピッチを …
続きを読むタネと言葉をつなぐ
今年もいくつかの種類のタネをつなぎました。菜豆、小豆、大豆、ナス、胡瓜、甲州モロコシ、陸稲、水菜。雑草園で何度もつながれたタネもたくさんあります。今年のお仕事を終えて、増えた種を携えて、菜園のあちらこちらから種テントに帰ってきます。そして、しばらくはテントの中でゆっくりとお休みしてもらったら、春になったらまた土へと戻っていきます。次の仕事をするために。そしてまた多くの種を携えて戻ってくるために。 私たち人間の作業はタネを土に落とすだけ。なのに、未熟果である甘い野菜をいただき、増えたタネの一部もありがたくいただくことができます。 でも、人間にはタネに負けない仕事ももちろんできます。その中でも最も …
続きを読む言葉を作り出す
名刺サイズの紙でも自分のメディアは始められます。日常の生活から、旅の一コマから、ふと降り注ぐ想いから、文章を紡ぎ形にすることで世界は変わります。ひとつの言葉が生み出される、それは宇宙にひとつの響きを追加します。その響きはやがて降り注ぎ共鳴をはじめます。 もし自分メディアをインターネットで始めるのなら、プロパガンダの仕組みであり、個人情報の収集ツールであるSNS(ソーシャルメディア)はおすすめできません。無料で始められるブログもたくさんあります。投稿した記事を書き出し(エクスポート)できるものを選びましょう。印刷物に利用できたり、他のブログに移行できたりします。 小さな冊子もおすすめです。A4両 …
続きを読む自分メディアを応援します
お金で買われたメディア、人々をある方向に動かすための、何か全体的で組織的なプロパガンダのためのメディアは、私たちにとって本当に必要ですか? それらのメディアは何のために存在するのでしょうか。 「あの国には報道の自由がない」と批判する国に、本当に報道の自由はあるのでしょうか。政府とつながる人々がメディアの中枢に陣取り、政府の意向に沿わない情報は流さない、またはフェイク扱いにする。ジョージ・オーウェルの空想が、いま現実のように目の前で演じられています。 しかし、やはりこの社会は空想です。それは瞬時に切り替わり、瞬時に反転します。そのために必要なことは、多くの人の少しの変化です。 多くの人の少しの変 …
続きを読む自然で温かいロシア料理をいただく
自然食のロシア料理のお店にお邪魔しました。初めてのお店なので恐る恐るドアを開けると、すぐにそのアットホームな雰囲気に包まれてしまいます。窓側の陽だまりに席を取り、陽気なお店の方や他のお客さんとも和やかな感じで、おすすめの自然志向な野菜料理を美味しくいただくことができました。 日本や世界の一部では、マスメディアやソーシャルメディアがロシアを一方的に敵視するような「情報」を流し続けています。ロシア料理のお店を訪れたのは最初は応援の意味もありましたが、実際にその温かい雰囲気と優しい味に触れて、ただ、何度も足を運びたい場所と思いました。自然の風味を生かしたその料理は、爽やかな余韻を残しています。 思え …
続きを読む村上春樹著『アンダーグラウンド』ふたたび
エドワード・バーネイズから始まる大衆操作(プロパガンダ)は、ようやくその飽和点に達しているように見えます。しかし、いまだにメディアや専門家によってばら撒かれる「お金で買われた情報」を大量消費する多くの人々にとっては、とても奇妙な世界が眼前に展開されているのかもしれません。 村上春樹著「アンダーグラウンド」は、60人の地下鉄サリン事件の被害者、関係者の声が掲載されたノンフィクション作品です。 村上さんは最後にこんな内容のまとめを書いています。「帰依した人々の多くは、(中略) 自我という貴重な個人資産を麻原彰晃という「精神銀行」の貸金庫に鍵ごと預けてしまっているように見える。(中略)それは彼らにと …
続きを読むGMナタネの自生調査と河川の水質調査に参加
GMナタネの自生調査と河川の水質調査に参加しました。水質調査は今年で3回目でした。 世界的な経済団体や国際的な政府機関において、最近特にエネルギーや食糧について警鐘を鳴らしていますが、エネルギー不足を煽ることによる原発または核融合炉の推進、食糧不足を煽ることによる遺伝子組み換え作物の推進には十分に注意する必要があると考えます。 演出的な経済制裁によって化石燃料と化学肥料が制限されているなか、自然エネルギーや有機栽培による農産物の不安定さを強調することで、原発・核融合炉や、化学肥料・遺伝子組み換え農産物への反対は人道的ではないと誘導される可能性もあります。 作物に対しても、当然ながら人間に対して …
続きを読むCapellagården(カペラゴーデン)と人工知能
カール・マルムステン(Carl Malmsten)はスウェーデンの有名な家具デザイナーであり、スウェーデンで最も美しい島といわれるウーランドにある工芸とデザインの学校、Capellagården(カペラゴーデン)を始めた教育家です。 権威主義的で理論過剰な学校への「別の答え」としてのカペラゴーデンでは、島にある自然をそのまま感じ、対話し、生活し、そして、その自然からいただいたインスピレーションや材料を、自由な発想と表現を尊重しながら、自分の中から湧出してくる形のないカタチを実際の形にしていく練習によって、「手の知能(handens intelligens)」を磨くことができるようです。 その表 …
続きを読むソーシャルメディアの行く末
テレビ離れが言われて久しく、部屋の片隅の電話機も取り残された遺物のように見えてしまいます。しかし、テレビの代わりにソーシャルメディアがあり、固定電話の代わりはいくらでもあります。それは人類にとって「進歩」と言えるのでしょうか? 世界中のテレビや新聞などのメディアの数と、大手ソーシャルメディアの数はどちらが多いでしょう。当然ながらその数が少ないほど、多くの人を簡単にコントロールできることを意味しています。 例えば、ウクライナの裏にあるものに気がついてしまい、ロシアを擁護することを書きたいとします。法律に違反しない限り何を書いても自由ですが、それを他の人に表示させるかはソーシャルメディア側が決める …
続きを読む電力依存のスタイルを見直し
脱炭素なエネルギーを使用したとしても、仕事や生活のスタイルが電力を潤沢に利用するものであるならば、何も変わっていないのかもしれません。地球に負荷を与えないことをただのブランドのように、ただのレッテルのように使用するだけでは、風力や太陽光の実際の不安定さを前にして、原子力発電を自然エネルギーと称してしまう詐欺に、軽々と乗せられてしまうかもしれません。 生活を電力に依存させて、次は自然エネルギーに依存させて、そして自然エネルギーのネガティブな部分を強調して、原発に誘導する。結局は従来と同じ仕組みに小型や新型という名前を付けて。 私たちもいままでのスタイルを反省して、エネルギーは可能な限り自給できる …
続きを読むFind out what we really need.
Every day we are bombarded by advertisements, news and media that make us think we need things we don’t really need. And that news can contain complex steps. In addition, they can be mutually conflicting. We need B for A, we need C for B, and since C doesn’t work, we need D… But if …
続きを読む永遠の化学物質 水のPFAS汚染
焦げつかないフライパン、撥水スプレー、食品包装紙・・それらに使用されることの多い有機フッ素化合物(PFAS)。これらは食品を通じて、手で触れるなどして、そして飲料水に含まれるかたちで広がっていくようです。 この危険性について、この本によると開発している企業は以前から気がついているようですが、現在も使用された商品が普通に販売されています。そして欧米ではその危険性が指摘され、規制がかけられている中で、情報統制された日本においては、甘い規制のうえに、その問題点について議論されている場面もほとんど見かけません。 欧米で売りにくくなったものを日本でわんさかと売りさばく構図は、特にいつもの光景ですが、有名 …
続きを読む西への衝動―アメリカ風景文化論
作為によってつくられた国家の「作為」とは、どのようなものかを考えてみます。作為によってつくられた国はアメリカだけではありません。国家、政府、社会体制、イデオロギー・・・これらの作られた「目的」を考えるのも楽しいことです。 コロンブスはアメリカ大陸を「発見」し、秩序を持った人間は誰も住んでいなかったことにして、その「野蛮」な場所に聖人などの名前をつけて、土地の所有を宣言して、自分たちの秩序を作り上げていきました。その「偉大な」作業に、より多くの人々を駆り出すためには、正義や使命も必要でしょう。 それぞれ時代は異なりますが、アメリカ大陸では西へと征服が進められ、ユーラシア・アジアでは東へと征服が進 …
続きを読む『樹の文化誌』『辺境・近境』『食糧テロリズム』
GCのBOOK FORESTより2021年3月おすすめの3冊をご案内します。いずれも刊行より時間が経過している本たちですが、このタイミング、この組み合わせに「今」を感じます。 現代の生活にとって必要な木、不要な木。庭に植えると映える木、映えない木。食べられる実、食べられない実。そして分類学。それらは古くから伝えられてきた樹木と人間との深い関係をリセットしてしまう危険があります。分類では説明できない木や草それぞれが持つ性格、役割、精神。昔の人は直覚的にそれらを捉え、儀式や生活に生かしてきました。 科学的に意味が無い、メリットが無い、弊害がある、そのようなジャッジの後に残ったものをよく観察してみる …
続きを読むWhat we really need is constantly spewing out of the ground
They are spreading things that we don’t need.They are promoting measures that we do not need.They are trying to make something that is not necessary into something necessary. We need to empty our minds and think quietly.What is it that we really need ?Where do the things we really need come fr …
続きを読むCherished Stones in the Rice Paddies
Every year, the power to grow rices comes from the mountains and is charged into the stones in the rice paddies. If the stones are charged, we can believe in a good harvest this year. These cherished stones are filling up with their power in the cold temperatures.
続きを読むThe large pyramid-shaped rock
In the past, large rocks in the forest were thought to be places where the power of life resided. The water gushing out from the rocks becomes a small river that fills the rice paddies and grows the rice that is our food. Water is the basic element and symbol of life. People have been visiting the f …
続きを読むいまできることは、いまできること
2021年、いまできること。それは、これまでにいただいた恵みや経験を、与え合い、支え合いという形でシェアすること。もし、困っている人がいれば必要なツールをそっと用意する。過度な競争や経済活動によって壊れてしまった文化や自然環境があれば、その修復を確実に実行する。そして、いまできることをさらに増やしていくために、新しい分野へと、新しい世界へと挑戦し、共感できるフィールドを広げていく。 先を急ぐことで見失ってしまう道、新しい技術のみを盲信することで衰えてしまう力、一発逆転を待ち望むことで無駄に過ぎてしまう時間。 自分を見つめ、足元の地面を慈しみ、いま自分たちの周りに存在するすべてが調和するように、 …
続きを読むタラブックス インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる
自然エネルギーは不安定を特長とする。増減が繰り返され、そのリズムは生命のそれに親しい。一定のエネルギーが供給され、一定の温度に保たれ、一定の明るさの中で作り出されるもの、それはクリエイティブではなくモノカルチャー的な製造でしかないことに、気づいてしまう。 国がモノカルチャー用に改革され、風土、地域、家庭、人間関係。すべてがモノカルチャーを支えるための材料としてしか見なされていない。それはいわゆる右も左も西も東もどのイデオロギーでも変わらない。同じ指向をAとBに分けただけ。それらは競い合うように見せかけて、対象を翻弄しAまたはBに「改革」しようとする。 もし人が商品やサービスにしか、地位や利益に …
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