『樹の文化誌』『辺境・近境』『食糧テロリズム』

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『樹の文化誌』『辺境・近境』『食糧テロリズム』

GCのBOOK FORESTより2021年3月おすすめの3冊をご案内します。いずれも刊行より時間が経過している本たちですが、このタイミング、この組み合わせに「今」を感じます。

現代の生活にとって必要な木、不要な木。庭に植えると映える木、映えない木。食べられる実、食べられない実。そして分類学。それらは古くから伝えられてきた樹木と人間との深い関係をリセットしてしまう危険があります。分類では説明できない木や草それぞれが持つ性格、役割、精神。昔の人は直覚的にそれらを捉え、儀式や生活に生かしてきました。

科学的に意味が無い、メリットが無い、弊害がある、そのようなジャッジの後に残ったものをよく観察してみると、とある企業が利益を得るために作られたもの、だったりします。現代社会をくまなく覆う誰かに作られた誰かに都合の良い「基準」。それをよく観察してみること。その基準によって最終的に誰の利益になるのかを冷静に考えること。それは誰にでもできます。

例えば、ウイルスへの抗体を作らせるために、生命の遺伝子を操作して人工的なタンパク質を作らせる。ウイルス対策ソフトのように、それで完了でしょうか。そのことについて率直にどう予測するでしょう。そして、この地球上で生きるためには「企業」の存在が不可欠となるような社会についてはどうでしょう。直近のメリット、デメリットを超えて、もっと深く観じることが必要と感じます。

簡単に受け入れること。周りに流されること。自分へのメリットのみで選択すること。その一歩に隠されている「暴力」の影に気がつかないふりをしていても、他のもたらす暴力に自分の関心を逸らせていても、自分の一歩のもたらす結果は変わりません。

自分の周りすべてを見回して、そこに生きる生命と感覚を共有して、そして直覚的に導かれる自分自身の答えを大切にすることを心がけています。


おすすめの本

『樹の文化誌』 足田 輝一(著) 朝日新聞社
『食糧テロリズム 多国籍企業はいかにして第三世界を飢えさせているか』 ヴァンダナ・シヴァ(著) 明石書店
『辺境・近境』 村上 春樹(著) 新潮社