見えないものを見て、見えるものを見ない世界のために。
GCの活動コンセプトを写真と小さな文章で表現した電子書籍です。
GCBLOG
菊池 木乃実著『木を植える男 ポール・コールマン 4万1000キロ徒歩の旅 』
1人が行動しても、世界はほとんど何も変わらない。1本の木を植えても、世界はほとんど何も変わらない。 もともと自分たちのものでもない自然を自分のものと勘違いし、森を破壊し、海を破壊し、清浄な空気を破壊し、すべてを使い果たし、わずかに残った資源をめぐって最後まで争いを続ける。 地球が許してくれる範囲を、精巧なシステムを、自分たちでますます狭く不自由に改変し、狭い檻の中で覇権を争う。 誰かが声高に叫ぶ。1人が行動しても、世界はほとんど何も変わらない。 でも、それは彼に対しては何の影響も与えなかった。なぜなら、変わるから行動するのではないから。自分の中の本当の声に従って、ただ行動をしているだけだから。 … 続きを読む
森の旅 森の人―北海道から沖縄まで日本の森林を旅する
いくら自然を守るためでも極端なのは違う感じがする、と稲本さんは言います。それは「自然」な雰囲気では無いからかもしれません。 自然のことを全く考えないで資源を浪費する人たち。逆に、自然のみを第一にして人間の生活をすべて否定する人たち。すべてを0か1にジャッジする文化であれば、その二択は普通のことかもしれません。しかし、感覚的な感想ですが、特に日本やアジア地域においては、もう少し曖昧というか、全てを包容するような考え方のほうがしっくりくる人たちも多いような気がします。 この本のように、日本全国の森を実際に見て、そこで暮らす人たちと実際にお会いして、都市と森林の関係について、人間と森林の関係について … 続きを読む
横川節子著『イギリス ナショナル・トラストを旅する』
自然は美しい。でも、実は自然はただそこに存在しているだけで、その存在に美しさを見出すのは人間だったりする。自然を美しいと思う人間の存在はとても美しい。そして、その自然と調和して生活している姿もとても美しい。 自然との調和ある生活を愛した詩人ワーズワース。その意志を受け継いだ芸術家や思想家たちによって生まれたイギリスのナショナル・トラスト運動。この運動によってイギリスの何でもない自然や自然の中に佇む生活が、産業革命による工業化、商業化の波の中でも「大切なもの」として認識されるようになり、現在まで美しく保存され続けています。 おすすめの本 『イギリス ナショナル・トラストを旅する』横川 節子(著) … 続きを読む
井形 慶子著『少ないお金で夢がかなうイギリスの小さな家』
「あなたの家のいいところは」と聞かれたら、どう答えるでしょう。庭が広い。リビングルームが広い。最新のスマートホーム。駅から近い。買い物が便利。 でも、この本に出てくるのはhomely。 homelyの意味を調べると、家庭的な、素朴な、質素な。ただ住んでいて自分がもっとも心が落ち着く場所が、自分の家の一番いいところ、ということです。 たとえば、部屋の片隅に置いた小さくて古いソファ。なんでもないけどなんだか居心地がいい。そんな場所。 イギリスでは新築より中古の家の売買が多いようですが、不動産屋さんは延べ床面積を把握していないそうです。それより、1軒1軒に作りこまれた個性的な売りがあるそうで、この家 … 続きを読む
「穴守稲荷」駅前、はねだぷりんのブックカフェ羽月(うづき)さん
自転車で走っていてふと見つけてしまったブックカフェ。「BookCafe羽月(うづき)」さんは、昭和30年に初代が「食堂半分・書店半分」の店を開いたのが始まりだそうです。 実はここテレビでも紹介されたことのある「はねだぷりん」でも有名なお店なのでした。 やさしい引き戸に誘われて店内に入ると、書店時代からの書棚に本がずらり。カフェでゆっくりくつろぎながら、そんな本たちを自由に読むことができます。 趣味の本や漫画や雑誌、アート本や志賀直哉全集もあったり、まさに本屋さんの中でのんびりできる感じ。そして、漫画「王家の紋章」の細川智栄子さんの直筆画も飾られていたり・・・と、ほんとに楽しい。 三世代にわたっ … 続きを読む
昆虫を求めて世界へ 佐藤 勝さん
昆虫を求めて世界中を駆け巡っている、「昆虫博士」である佐藤勝さんにお話をうかがってみました。 GC「昆虫に関して、いままでで一番嬉しかったことは何ですか?」 南大東島でヒサマツサイカブトというカブトムシを見つけて、新種として認可されたことが、とびあがるようにうれしかったですね。 生まれたときから昆虫が好きで、40年あまりその道一本で虫を追いかけてきました。挫折せずに続けてきて良かった、という思いです。 GC「新種を見つけたことがきっかけで、本を出版されたそうですね?」 新種を見つけたことが新聞の記事になったんです。でも、それだけでは物足りない気がしましたので本を出しました。たくさんの方々に読ん … 続きを読む
南仏プロヴァンス料理紀行
アラブの方々が大切にするオリーブの木は、西洋のものでも東洋のものでもない祝福された木と呼ばれているそうです。にんにくとオリーブ油とハーブをふんだんに使うプロヴァンス料理の、誰でも簡単に作ることのできるレシピがこの本には載っています。 その材料は身近なところで得られるものばかり。森の幸、山の幸、薬草、きのこ、いちじく、アーモンド、オリーブ、はちみつ、ワイン。 そしてプロヴァンスは、よその土地からも多くの恵みを受けています。ぶどうを持ち込んだのはギリシア人。オリーブはローマ人。唐辛子はスペイン人。ミントはアラブ人から。 レストランのオーナーシェフであるミッシェルさんは言います。「あんたの食べるもの … 続きを読む
パトリスジュリアン著『生活はアート』
料理を出すお店を経営しているとき、彼はスタッフに庭の手入れから1日をスタートさせていました。それは、まず掃除からさせるような精神論的な意味ではなく、五感を研ぎ澄ますためだったようです。 庭の植物を手入れし、植物と対話し、今日の天気、温度、湿度を肌で感じ、音を聞く。香りを嗅ぐ。そうしてから今日のための、今日の一期一会のための、料理を作り始める。結果ではなくてその過程を大切にする。その過程の中に相手の人をとても大切に思うすべてが入っている。そんなことをこの本を読んでいるととても感じます。 結果だけを求めると、お客様も「結果」に見えてきます。お金を持ってくる「結果」。どんな顔をしてようが、どんな服を … 続きを読む