ケルト 再生の思想 ― ハロウィンからの生命循環
日本においても、神社などの崇拝されてきた場所、神の名、そして風習…それらがたとえ昔から伝わっているということになっていても、その意味が途中で上書きされている、書き換えられている事例はたくさんあると思います。例えば、一般的に神社は南向きに建てられていることが多いですが、その神社を拝む場合に太陽に背を向けることになるのはなぜなのでしょう?本当は北の方角にあるものを拝んでいるのでは?その神社の後ろに石が祀られていたり、巨木や岩で囲まれたエリアが存在する例が多いのはなぜなのでしょう? 数年前に訪れた奈良の玉石社では巨木で囲まれた小さなエリアとそこにある玉石が御神体とされ、続けて訪れた和歌山の神倉神社で …
続きを読む宇宙船地球号操縦マニュアル
人間から本質的な感覚を奪う、つまり生物や人類としての長い歴史の中で身に着けてきた知恵を麻痺させるためには、専門化が最も効率の良い方法と言えるかもしれない。一人では誰も思いつかないような破壊や、未来の生物や人類に大きな損害を与えてしまうような科学の悪用も、その作業に従事する人たちを専門化、細分化することで、人間の「良心」を踏み越えてその方向に動かしていくことができてしまう。 民族や人種というレッテルの強調も、人間を「良心」とは異なる方向へと導くことができる。民族だけでなく宗教や、同じ宗教でも宗派に細分化することで、それぞれがそれぞれを排斥し、自らが安全なエリアを拡大することのみを行動の原理とさせ …
続きを読む賤民にされた人びと、斜線の旅
その土地に伝わる言葉をしっかりと噛みしめると、日本人が数多の種族の混成であることが肌で感じられる。火山でできた島々に押し寄せる波のように、古代から多くの人びとがこの島を訪れ色を重ねていく。先に居た人々を悪に仕立てて追い払い同化させていくことを歴史というなら、教科書で教えられる歴史を「なぜ?」という視点から見れば、そのことがはっきりと見えてくる。単一と多様。生物の世界でどちらが持続的かは明確。多様な種族の混成より単一民族を「良い」と捉える風潮がもしあるならば、その種族を衰退させていくためなのかもしれない。融合していたものを分割し細分化し繋がりよりも差異を強調することで、世界的なビジネスは成り立っ …
続きを読むレイチェル カーソン『沈黙の春』
「沈黙の春」が出版されたのは50年以上前。DDT禁止のきっかけとはなったが、その後、農薬の廃止までは至らず、現代においても農薬が人間を始めとした多くの生命を害している状況は、残念ながらあまり変わっていません。 しかし、最近になって除草剤の有毒性が認められ、オランダやフランス、アルゼンチン、ブラジルなどでラウンドアップ(グリホサート)の使用が禁止されるようになりました。この動きは他の国にも広がっていくと予想されています。 除草剤として日本でもっとも販売数の多いモンサント社製の「ラウンドアップ」に使用されている化学物質「グリホサート」に、世代を超えた毒性リスクがあることが判明 「グリホサート」請願 …
続きを読む川口 由一 (監修)『はじめての自然農で野菜づくり』
産業革命以降、なぜ世界中で農薬や化学肥料依存の農業ばかりになってしまったのでしょう。農薬や化学肥料が何から製造されているかを考えると見えてきます。この本は自然農法で有名な川口さん監修の入門書です。野菜も生命、土壌も生命、そこに棲む生き物たちも生命。すべての生命がつながりあうところに、人間の本当の食べ物が生まれてくる、そんなことを実感する本です。家庭菜園をされている方だけでなく農家さんにも読んでほしい一冊です。 おすすめの本 『はじめての自然農で野菜づくり』川口 由一(監修) 学研プラス
続きを読む古代諏訪とミシャグジ祭政体の研究 -日本原初考-
諏訪の土着であり縄文の文化を受け継いできた洩矢の民と、渡来系であり天孫族である大和の民、そして天孫族に追われて諏訪と融合する出雲の民。これらが重なり合いながら一つの形を成してきた諏訪。 洩矢の民が縄文から受け継いできたミシャグジの信仰は、異文化と融合しつつも江戸時代まで力強く生き続けてきました。しかし、明治維新以降の疑似的な天孫礼賛と即物的な社会変革によって、おおらかな自然体であるミシャグジの信仰は消えてしまうかと思われました。 そのような中で、このままミシャグジ信仰を絶滅させてはいけない、と何かに取り憑かれたようにミシャグジを甦らせる活動を始める人たちが顕れます。 この本ではこう語られていま …
続きを読む山梨県北杜市で業務を開始します。
株式会社GCは2019年3月11日より山梨県北杜市で業務を開始します。 所在地:〒408-0025 北杜市長坂町長坂下条253-1 メールアドレスに変更はございません。
続きを読む小さな鳥は小さな種を食べる
小さな鳥は小さな種を食べる。 消化されない種はその植物の知らない地に落ち、小さな芽を出す。 豊かな森の中は薄暗く、新しい芽は今は必要ない。 荒れてしまった土地では芽は育ち、土を渇きから潤いに変える。 蘇りつつある土地に、より大きな鳥がより大きな種を運ぶ。 生きることと、循環をつなぐことは、いつもひとつ。 人間にもその機能? 備え忘れることはない、はず。 2019年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
続きを読むGCの地方移転を進めています
古くからの叡知と、より多くの生き物にあふれ、より多くのこころ温かい体験を予感できる、自然が多い地方への移転作業を進めています。 移転先は現在地からそれほどは遠くない予定です。お客様にはこれまで以上のサービスをご提供いたします。
続きを読む東京の樹木を634本撮影するプロジェクト
634本。ただ静かに1本の木の前に佇み、見えない根のことを考え、目の前の幹と会話し、大きく空に広げた枝葉に耳を傾ける。 雑木林や畑がもっと身近にあれば、自分の食べ物が、自分の生活に必要なものが、どこから供給されているのかを感じていられる。そして機能だけではない生命のつながりの1つとしての人間を忘れないでいられる。 逆に人間の生活が自然から遠ざかるほど、地球上には人間だけが存在し、人間だけがこの世界を動かしていると勘違いをしてしまう。
続きを読むコンセプトブックを発行しました
見えないものを見て、見えるものを見ない世界のために。 GCの活動コンセプトを写真と小さな文章で表現した電子書籍です。
続きを読む菊池 木乃実著『木を植える男 ポール・コールマン 4万1000キロ徒歩の旅 』
1人が行動しても、世界はほとんど何も変わらない。1本の木を植えても、世界はほとんど何も変わらない。 もともと自分たちのものでもない自然を自分のものと勘違いし、森を破壊し、海を破壊し、清浄な空気を破壊し、すべてを使い果たし、わずかに残った資源をめぐって最後まで争いを続ける。 地球が許してくれる範囲を、精巧なシステムを、自分たちでますます狭く不自由に改変し、狭い檻の中で覇権を争う。 誰かが声高に叫ぶ。1人が行動しても、世界はほとんど何も変わらない。 でも、それは彼に対しては何の影響も与えなかった。なぜなら、変わるから行動するのではないから。自分の中の本当の声に従って、ただ行動をしているだけだから。 …
続きを読む森の旅 森の人―北海道から沖縄まで日本の森林を旅する
いくら自然を守るためでも極端なのは違う感じがする、と稲本さんは言います。それは「自然」な雰囲気では無いからかもしれません。 自然のことを全く考えないで資源を浪費する人たち。逆に、自然のみを第一にして人間の生活をすべて否定する人たち。すべてを0か1にジャッジする文化であれば、その二択は普通のことかもしれません。しかし、感覚的な感想ですが、特に日本やアジア地域においては、もう少し曖昧というか、全てを包容するような考え方のほうがしっくりくる人たちも多いような気がします。 この本のように、日本全国の森を実際に見て、そこで暮らす人たちと実際にお会いして、都市と森林の関係について、人間と森林の関係について …
続きを読む横川節子著『イギリス ナショナル・トラストを旅する』
自然は美しい。でも、実は自然はただそこに存在しているだけで、その存在に美しさを見出すのは人間だったりする。自然を美しいと思う人間の存在はとても美しい。そして、その自然と調和して生活している姿もとても美しい。 自然との調和ある生活を愛した詩人ワーズワース。その意志を受け継いだ芸術家や思想家たちによって生まれたイギリスのナショナル・トラスト運動。この運動によってイギリスの何でもない自然や自然の中に佇む生活が、産業革命による工業化、商業化の波の中でも「大切なもの」として認識されるようになり、現在まで美しく保存され続けています。 おすすめの本 『イギリス ナショナル・トラストを旅する』横川 節子(著) …
続きを読む井形 慶子著『少ないお金で夢がかなうイギリスの小さな家』
「あなたの家のいいところは」と聞かれたら、どう答えるでしょう。庭が広い。リビングルームが広い。最新のスマートホーム。駅から近い。買い物が便利。 でも、この本に出てくるのはhomely。 homelyの意味を調べると、家庭的な、素朴な、質素な。ただ住んでいて自分がもっとも心が落ち着く場所が、自分の家の一番いいところ、ということです。 たとえば、部屋の片隅に置いた小さくて古いソファ。なんでもないけどなんだか居心地がいい。そんな場所。 イギリスでは新築より中古の家の売買が多いようですが、不動産屋さんは延べ床面積を把握していないそうです。それより、1軒1軒に作りこまれた個性的な売りがあるそうで、この家 …
続きを読む「穴守稲荷」駅前、はねだぷりんのブックカフェ羽月(うづき)さん
自転車で走っていてふと見つけてしまったブックカフェ。「BookCafe羽月(うづき)」さんは、昭和30年に初代が「食堂半分・書店半分」の店を開いたのが始まりだそうです。 実はここテレビでも紹介されたことのある「はねだぷりん」でも有名なお店なのでした。 やさしい引き戸に誘われて店内に入ると、書店時代からの書棚に本がずらり。カフェでゆっくりくつろぎながら、そんな本たちを自由に読むことができます。 趣味の本や漫画や雑誌、アート本や志賀直哉全集もあったり、まさに本屋さんの中でのんびりできる感じ。そして、漫画「王家の紋章」の細川智栄子さんの直筆画も飾られていたり・・・と、ほんとに楽しい。 三世代にわたっ …
続きを読む昆虫を求めて世界へ 佐藤 勝さん
昆虫を求めて世界中を駆け巡っている、「昆虫博士」である佐藤勝さんにお話をうかがってみました。 GC「昆虫に関して、いままでで一番嬉しかったことは何ですか?」 南大東島でヒサマツサイカブトというカブトムシを見つけて、新種として認可されたことが、とびあがるようにうれしかったですね。 生まれたときから昆虫が好きで、40年あまりその道一本で虫を追いかけてきました。挫折せずに続けてきて良かった、という思いです。 GC「新種を見つけたことがきっかけで、本を出版されたそうですね?」 新種を見つけたことが新聞の記事になったんです。でも、それだけでは物足りない気がしましたので本を出しました。たくさんの方々に読ん …
続きを読む南仏プロヴァンス料理紀行
アラブの方々が大切にするオリーブの木は、西洋のものでも東洋のものでもない祝福された木と呼ばれているそうです。にんにくとオリーブ油とハーブをふんだんに使うプロヴァンス料理の、誰でも簡単に作ることのできるレシピがこの本には載っています。 その材料は身近なところで得られるものばかり。森の幸、山の幸、薬草、きのこ、いちじく、アーモンド、オリーブ、はちみつ、ワイン。 そしてプロヴァンスは、よその土地からも多くの恵みを受けています。ぶどうを持ち込んだのはギリシア人。オリーブはローマ人。唐辛子はスペイン人。ミントはアラブ人から。 レストランのオーナーシェフであるミッシェルさんは言います。「あんたの食べるもの …
続きを読むパトリスジュリアン著『生活はアート』
料理を出すお店を経営しているとき、彼はスタッフに庭の手入れから1日をスタートさせていました。それは、まず掃除からさせるような精神論的な意味ではなく、五感を研ぎ澄ますためだったようです。 庭の植物を手入れし、植物と対話し、今日の天気、温度、湿度を肌で感じ、音を聞く。香りを嗅ぐ。そうしてから今日のための、今日の一期一会のための、料理を作り始める。結果ではなくてその過程を大切にする。その過程の中に相手の人をとても大切に思うすべてが入っている。そんなことをこの本を読んでいるととても感じます。 結果だけを求めると、お客様も「結果」に見えてきます。お金を持ってくる「結果」。どんな顔をしてようが、どんな服を …
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